富士山への登山

あの頂(3776m)へ

野外活動時の児童生徒の安全を意識しながらの富士山登山です(8月)。一歩間違うとケガをしてしまう可能性がありますが、危険性に対する予知能力を発揮しながら慎重に登山を行います。気圧や気温の差による体調の変化を自覚しつつ、自分や仲間の体と心を気遣い、その環境下で教育プログラムを成功させるため最善を模索し実践する活動となります。

1)富士山登山は、五合目からのスタートとなります。12:30~13:00頃。

2)雲よりも高い場所を登っていきます。

3)岩場(溶岩)の上を登っていきます。高山病を防ぐためにゆっくりとした登山となります。

4)宿泊する九合目の山小屋に到着です。17:30~18:00頃

5)山小屋(万年雪山荘)の夕食です。18:00~19:00頃。

6)山小屋からの夕刻の風景です。20:00には消灯。

7)翌朝3:00、ライトを頼りに登山開始です。

8)4:00~4:30頃には山頂の鳥居に到着できます。

9)晴れた時の御来光の風景はとても素晴らしいです。

10)刻一刻と東の空の彩りが変わってきます。

11)山頂は、ほぼ岩と礫となっています。

12)転倒防止を心掛け、安全を第一に下山します。ヘルメットは任意での携行となります。

13)なお、雨天になると山頂は白く寒い場所になります。眺望は望めません。悪天候が事前に予報されているときは、登頂は中止します。

14)また雨天時は、気温が0~5度程度まで下がることがあります。低体温症を防ぐためにも、お互いに声を掛け合いながら、保温を意識した体調管理のもとに下山のタイミングを計ります。

(この年は、学生がミルクティーを準備してくれました。優しい男子学生です。)

15)雨天時は慎重な下山が必要となりますが、この年も、無事に活動を終えることが出来ました。山道の清掃活動も行いながらの下山となりました。写真は、5合目まで下った時の様子です。この後、バスを利用しての帰宅となります。

なお、「新富士駅(以前は静岡駅からの時も)」-「富士山:富士宮口五合目」間のバス利用、九合目の山小屋(万年雪山荘)で一泊、早朝3:00頃に山頂へのアタック開始(悪天候の時は中止)、6:30頃には山頂より下山開始というスケジュールが、経験的にもケガや体調不良の発生が少ないようです。いわゆる“弾丸登山”は実施しない方がよいと思います。

(五合目のスタート地点では、登山の事前登録の確認があります。また富士山保全協力金1000円を任意でお支払します)

 

どうぞ、安全第一の富士登山を!

 

山頂での御来光

山頂での御来光

御来光に照らされた南の空(山頂)

 

<以下、交通手段・携行品等の情報です>

 

●交通手段  富士急静岡バス  

行き

出発 新富士駅 富士山口(北口)5番乗り場 10:00

到着 富士山 富士宮口 5合目  12:05

帰り

出発 富士山 富士宮口 5合目   13:00

到着 新富士駅 富士山口(北口)5番乗り場 14:47

※ 期間限定の路線バスです。途中富士宮駅に寄ります。運賃は往復きっぷで3700円(2024年現在)、予約は無く当駅での購入となります。

 

●宿泊先  万年雪山荘 (9合目

※ 最も活気ある山小屋(山室)のひとつで、山頂まで登り約一時間、夏季診療所(8合目)まで下り約30分、登山救助パトロール隊の常宿でもある最適な施設だと思います。赤田研究室の登山をいつもサポートしてくれます。食事も美味しいです。なお、高所ゆえの酸素分圧の低さに体がなれない状況や、人の移動による音の発生等において、夜の「熟睡」は難しい場合が多いです。「仮眠できれば十分」という気持ちで夜を過ごせば、「眠れない、どうしよう・・・」というストレスからは解放されると思います。また、山小屋には登山客用の入浴・シャワー施設はありません。宿泊費は平日一泊二食で10000円(2024年現在)です。早めの予約をお勧めします。

 

●富士山表富士宮口登山組合さんのHP http://www.fuji-tozan.com/index.html

※ 富士登山に関するトータルな情報を得ることができるHPです。年度ごと更新されており、特に富士宮口から登山を計画される場合は、一度ご確認をお勧めします(写真:カタログ、HPより転写)。

 

●富士登山オフィシャルサイト https://fujisan-climb.jp/

※ 「富士登山オフィシャルサイト」は環境省、静岡県、山梨県が作成している富士登山に関するトータルな情報を得ることができるHPです。気象情報や、山頂のライブビュー情報等も得られます。事前登録もここからアクセス可能です。一度ご確認をお勧めします(写真:カタログ、HPより転写)。

< 気象・災害情報の確認のためのHP >

●日本気象協会  https://tenki.jp/

※ 「日本気象協会 tenki.jp」のサイトでは、全国の天気予報や気象情報、雨雲レーダー情報、PM2.5分布予測、地震や台風の最新情報を提供してくれています。(写真:HPより転写)

 

てんきとくらす 

https://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/index.html

※ 「てんきとくらす」のサイトは、登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から気象学的知見を用いてレベル値(イラスト)で表現してくれています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、A・B・Cの判定が行われています。(写真:HPより転写)

 

イマフジ https://imafuji.earth/

※ 「イマフジ」のサイトは、「今現在の富士山の気象情報」を提供してくれます。サイトの運営には、富士山保全協力金も使われているということで、協力金の支払いの大切さや意義を感じます。富士宮口五合目での支払いとなっており、2024年は一人1000円です。(写真:HPより転写)

 

富士山頂ライブカメラ https://www.youtube.com/@npofuji3776/streams

※ 「NPO法人:富士山測候所を活用する会」が提供されている富士山頂の富士山測候所に設置されたライブカメラ映像となります。(写真:YouTubeより転写)

 

●おおまかなスケジュール ①②③④⑤⑥

① 安全な富士山登山を実現するための「山小屋の宿泊予約」

6月下旬には満室になってしまうことが多いため、山小屋への宿泊予約は早めに行います。

② 同行希望者の「事前ミーティング」

安全な富士山登山の実現のために、装備品・準備物の確認、体力づくり・健康管理の重要性の確認、けが・高山病防止のための登山方法の確認、疲労を極力防ぐための登山方法や登山マナーの確認等々のために、対面ミーティングを4回、ネットミーティングを2回行います。登山予定日の前日には最終のネットミーティングを行い、健康観察と以下④の気象情報・防災情報の確認も行います。

③ 出発前日までの「事前登録」

富士登山オフィシャルサイトへの事前登録を行います(各自にて)。安全な富士山登山の実現のためにも重要な事前登録となります。前日までに各自で必ずエントリーをしてください。

https://fujisan-climb.jp/info/20240605_2024shizuokaanzentaisaku.html

実際の入力画面は以下となります。

④ 登山予定日の気象情報・防災情報の確認(前日)

登山予定日の前日に同行者全員で気象情報・防災情報を確認して、悪天候が予報された場合や、地震臨時情報等が出された場合は、合議のもとに富士山登山の中止を決定し、山小屋に宿泊のキャンセル連絡を入れます。

⑤ 一日目の行程

940 新富士駅 富士山口(北口)5番のバス乗り場に集合

各自で富士登山バスフリー切符(駅にあるバス切符売場で販売されている:往復3700円)を購入しておいてください。

昼食用のおにぎり等を用意しておいてください。

1000 富士急静岡バスに乗車・出発(始発便)

仮に乗り遅れた場合ですが、同バスが富士宮駅に1035に立ち寄るので、そこでの乗車を検討することになります。ただ、既にその時、乗客が多い場合(満員の場合)は乗車できません。その場合は、タクシーで富士宮口5合目まで向かうか(約12000円)、登山をキャンセルすることを検討することになります。出発が遅れると、安全な登山の実現に支障が生じます。遅刻した場合は、潔く今回の登山をキャンセルしましょう。

(Google マップ)

12:05 富士山富士宮口5合目に到着

同5合目で昼食をとりながら、50分ほどの高所順応の時間を過ごします。

健康観察をします。

13:00 5合目から登山開始

事前登録の確認を済ませてからのスタートとなります。

富士山保全協力金の支払いをします(任意)。

高山病を防ぐためにゆっくりとしたペースでの登山を行います。途中の休憩時間も確保しつつ、水分補給も各自で適宜行います。元祖七合目(山口山荘)ではスポーツドリンクを追加購入します。

健康観察(登山開始1時間後:新七合目付近での健康観察で体調不良が自覚された方には、下山の検討をすることになります。帰りのバス時間は15:00,18:00,19:00の3本となっており、下山にかかる時間を考えても帰りのバス乗車には十分に間に合います。)

17:30~18:00 宿泊する山小屋「万年雪山荘」に到着

18:00~19:00 夕食 (消灯は20:00)

 

⑥ 二日目の行程

2:00 起床(朝食)

天候を同行者全員で確認して、悪天候であったり、悪天候への急変が予想されたりする場合は、合議のもと登頂を中止します。その後、下山の計画を立てていきます。

健康観察(山小屋での健康観察で体調不良が自覚された方には、登頂は目指さず、山小屋で待機することになります。緊急的な状況でなければ、日が昇り明るくなり、気温がある程度上昇してからの下山を検討します。付き添いの相手は事前に決めておきます。)

2:40~3:00 山小屋出発

4:00~4:30 山頂到着

6:00~6:30 下山開始

7:00~7:30 万年雪山荘

11:30~12:00  富士山富士宮口5合目到着

13:00  富士急静岡バスに乗車・出発

14:17  富士宮駅 到着(帰宅)

14:47  新富士駅 到着(帰宅)

 

●服装・装備について

(1)五合目から9合目の山小屋までの服装について

五合目から9合目までは、雨天でない限り“夏の暑さ”を感じながらの登山となります。紫外線も強いことから、1)発汗性のある素材で、2)肌を露出しない服装(帽子も着用)が適しています。サングラスを利用する人も多いです。同時に、当日の登り約4時間半の行程において、“一度は雨が降る”ことは普通のことですので、1)2)の上に、3)雨合羽を羽織る形での登山の時間帯、も出てきます。

晴れ・曇りの時 (手袋も着用します)

少雨の時 (手袋も着用します)

この時の装備品

□帽子

□サングラス(必要であれば)

□アンダーシャツ(長袖・紫外線対策)

□シャツ(ポリエステル製のもの。綿製は不適)

□軍手(写真撮影後に着用しました)

□ジャージのズボン、または短パン

□アンダータイツ(必要であれば)

□登山靴(運動靴でも登れますが、安全面から言えば踝まである登山靴がお勧めです)

□雨合羽

□ノルディック ポール(いわゆる杖です。必要であれば)

□靴下 下着

□バッグ

□水・スポーツドリンク(500ccボトルを3本)

※登山中にあと2本程購入する予定です

□現金・コイン(トイレを利用するときにコインが必要)

□ヘルメット(任意)

 

(2)九合目の山小屋から山頂までの服装について

九合目の山小屋から山頂までは、前日の昼間とは一転、“冬の寒さ”を感じながらの登山となります。外気温も10℃~15℃程度となり、本当に寒く、山頂では更に寒くなる(0℃~5℃)ことがあります(体感温度)。前日の服装を基本としつつ、アンダーウエア―を「ヒートテック」等に変え、その上に「厚手のスポーツウエア―(上下)」を着用、さらにその上に「雨合羽」(まずは防寒用として活用)を着ることをお勧めします。登山中、暑くなれば脱いでいきますが、高山病の防止のために、ゆっくりと歩いていきますので、“暑くなったから脱ぐ”という状況はあまり無いと思います(特に上半身)。

晴れていても着込んでいます(山小屋出発時)

晴れていても着込んでいます(山頂到着時)

雨天時もそのまま対応します(山頂到着時)

この時の装備品

(前日午前の服装を基本としつつ)

□厚手の帽子(可能であれば毛糸の帽子。頭部が冷えるのを防ぎ、高山病の防止にもなります)

□ヘッドライト(絶対的に必要です。これが無いと登山できません)

□雨合羽(防寒用として活用します)

□厚手のスポーツウエア―上下(雨合羽の下で見えませんが、厚手のウエア―を着ています)

□アンダーウエア―上下(雨合羽、スポーツウエア―の下で見えませんが、ヒートテックを着ています。)

 

(3)山頂から5合目までの服装について

日の出とともに気温がぐんぐん上がってきます。下山の時には、少しずつ服を脱いでいく感じで、調節していきます。一方、雨天のときは雨合羽を着たままの下山となります。

5合目に着いたら、身支度を整えて13:00発のバスに乗りこみます。

 

気象情報のこまめなチェックをお勧めします。この時の山頂ではご来光に恵まれましたが、気象情報(予報)は以下のようなものでした(8/20)。「早朝は晴れる」ことを気象情報から読み取った後に山頂アタックを決定したわけですが、それでも山の天気は変わりやすいですので、十分な注意、変化に対応できる装備が必要になります。

「気象庁HP(8/20)」より 一部転写

「日本気象協会HP(8/20)」より 一部転写

「てんきとくらすHP(8/20)」より 一部転写

貴重な情報が提供されています。ご参考にされてください。

しっかりとした準備、適切な情報収集と情報分析、正しい判断力と行動力によって、活動の安全性を高めていきましょう。私たちの知力と体力を、富士山が鍛えてくれているようにも思えます。