ゼミでの研究活動 卒論・修論

赤田研究室では、小学校や中学校・高等学校の教員として活躍するための力量形成を目指して、教育実践学的な「授業研究」や「教材開発」をメインに卒業論文を作り上げていきます。「楽しい保健体育の授業づくり」、「保健体育の教材研究」、「安全教育」、「喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育」、「性に関する指導」、「心と体の関わり」、「環境と健康の関わり」、「運動会や野外活動と健康の関わり」、「運動と健康の関わり」、「睡眠の大切さ」、「生命尊重と健康教育」等々をテーマとしています。これまでの卒業論文・修士論文のタイトルは下段に示しています。

【これまでの卒業論文タイトル(一部)】

〇小学校の保健教育における「睡眠」に関する授業の教材開発 小規模校での全学年一斉授業の実践とその評価

・健康的な生活には欠かせない”睡眠”の価値について学ぶための「保健の授業づくり、教材開発」に取り組んだ卒論となりました。「生活実態調査」から判明した子ども個々人の”早寝を妨げる生活様式”を授業の中で取り上げ、その課題を解決していくための方法を導いていきました。

 

〇小学校の保健教育における「心の健康」に関する授業研究 アンガ―マネジメントとマインドフルネスを用いて

・心の健康を維持するために、イライラやムカムカの原因を知り、同時に、その対処方法を体得していく保健の授業開発に取り組んだ卒論となりました。そこでは、アンガ―マネジメントとマインドフルネスの体験を取り入れた、体験的で楽しい保健の授業を創出することができました。マインドフルネスの発想は、今後多くの学校でも取り入れられると考えられます。

 

 

〇小学校における水泳指導の教材づくり (水泳の動画教材づくり)

・小学校において、安全で楽しい水泳の授業時間を作り出すために、子どもの発達段階に応じた各泳法の教材映像の作成を目指した卒論となりました。透明度の高い静岡県水泳競技場より施設提供のご協力をいただき、水中カメラを用いて、スイマーである卒論作成者を撮影していきました。撮影敢行後、編集作業によって、水泳指導の教材コンテンツが完成しました。

 

〇小学校におけるなわとび運動の教材開発

・小学校における「縄跳び指導」の際に活用できる「縄跳び上達のための動画コンテンツ」を開発していきました。静止画では運動局面ごとの注意事項を示すとともに、動画では、全体的な動きを「正面」と「側面」の映像を提示することで、学習者にわかりやすり教材となることを目指しました。

 

〇いのちあるものと過ごす経験から生まれる子どもの豊かな学び 変容する子どもとそれを支援する教師の姿

・生き物の飼育活動のなかで、子供の責任感や生命尊重の意識が育っていく様子を、現象学の視点において明らかにしようとした卒論となりました。教師の支援・語りかけにより、それまでの”遊び道具的な存在”から、”かけがえのない、尊重されるべき、大切ないのち”として、飼育する動物と接するようになる子どもの成長の様子を捉えることができました。

 

〇高校生を対象とした性に関する授業実践研究 語り合い深め合うことを通して性を自らのものにするために

・性に関する認識や性行動についてアンケート調査をし、そこで明らかになった高校生の長所や課題を解決するための保健の授業づくりを進める卒論となりました。お互いの立場や考え方に敬意を払いながら、”語り合う”ことにより、思いを”深め合う”ことの価値についても考えていける授業開発となりました。

 

〇小学校における性教育に関する研究 S市S小学校のエイズ教育の実践から

・エイズ教育の推進地域指定校とされた小学校の教育実践の内容とそのカリキュラム構成を検討・分析した卒論となりました。一日に約4人が新規のHIV感染者・エイズ患者と認定される現在。最適な治療が継続されることを願うとともに、これ以上の増加を防止するための対策が急務であることを訴えることができました。

 

〇小学校保健学習における手洗いに関する教材の検討

・「手洗い」の衛生的な価値や医療的な効果は、非常に高いものがあり、現在、全世界において「手洗い教育」が実践されています。その教育の具体例を調査し、子どもの発達段階に応じた授業づくり・教材開発を目指した卒論となりました。

 

〇学校における喫煙防止教育に関する実践研究

・タバコにより世界で年間600万人もの命が奪われると推計される中、生涯にわたり「喫煙しない」生活を過ごすための知識や態度、思考力や判断力・表現力等の育成を目指した授業づくり・教材開発の卒論作成となりました。写真はWHOが世界禁煙デーの啓発資料として作成した教材となります(2005)。このような教材の収集・分析を、世界に目を向けながら進みていきました。

 

〇小学校保健学習における体の抵抗力に関する教材の検討

・寒くなり空気が乾燥してくる時期になると、鼻やのどの粘膜も乾燥してしまい、体の抵抗力が低下していきますが、それを防止するための方法を文献的に整理していった卒論となりました。ウイルスや細菌に感染してしまう可能性を低減するための”手洗い”の励行や感染の拡大を防ぐための”マスクの利用”の価値について、新しい発見もありました。また、免疫細胞の機能に関する研究も日進月歩していることを理解できました。

 

〇小学校における「いのちの教育」のあり方について

・”いのちの大切さ”、”健康的に生きていくことの大切さ”についての学びは、学校教育の根幹を成す重要な学びのひとつです。その学びの発展を目指して、これまで積極的に情報発信をしている複数の教育実践者の取り組みを分析的にまとめていく卒論作成となりました。 日野原重明氏、金森俊朗氏、田越真紀子氏、種村エイ子氏ら実践からは、かけがえのない”いのち”を自他ともに守り抜き、信頼感と愛情をもって人生を歩むことの意義・メッセージが、強く発せられていました。子どもたちに、”いのちの大切さ”を気づかせていく教育実践者の取り組みに、「教師のあるべき姿」を学べました。

 

〇小学校における性教育の授業に関する一考察

・自分の体についての不安や劣等感、羞恥心を抱いている子どもも少なくない中、その成長を肯定的に受け止められるようになるための性教育の授業づくりを目指した卒論作成となりました。授業中も積極的な発言が目立つなど、子どもの反応がとても良好な授業実践のひとつの形を提示することが出来ました。

 

 

〇小学校におけるケガの発生理由とその対策づくりに関する一研究

・小学校におけるケガの発生場所の特徴を明らかにしながら、子どもたち自らがケガの発生を未然に防いでいく能力を高めていく授業の開発を目指した卒論となりました。体育の授業時間だけでなく、休み時間のケガの発生の特徴を理解した子どもたちは、その休み時間のケガの発生を防ぐためのルールを提案したり、施設改善の必要性を訴えたりするような保健の授業を実践することが出来ました。

 

〇保健学習における子どもの学びの過程にあらわれる思考の変化 子どもの学びとそれに携わる教師の援助

・保健の授業場面における教材の提示に対して、子どもがどのような学びを展開していったのかを、授業中の子どもの発話記録や感想文を質的に分析することで明らかにしていった卒論となりました。工夫された教材の提示によって、子どもの学びは、やはり活発になっていく様子が明らかとなり、あらためて教材研究の重要性に気付かされました。

 

〇水辺における自然体験の教育的価値について 危険を知り安全策を講じ水辺の魅力に触れる

・水辺の自然体験活動の教育的価値を高めるには、施設や活動ごとの十分な安全対策が欠かせません。静岡県内にある水辺の施設をリサーチするなかで、各施設の安全対策の取り組みと、それがあるからこその当施設の”活動の魅力”についてまとめていきました。

 

小学校授業時における効果的な準備運動について

・体育の授業前の準備運動の価値に着目し、実態調査を踏まえながら、授業場面で活用できる準備運動の教材づくりを行いました。この教材を子どもたちが利用することで、効果的な準備運動が出来ることを願いました。

 

S市公立小学校における運動会の教育的意義とその運動種目の特徴に関する研究調査

・運動会の教育的意義についての文献調査と運動会種目の実態調査を踏まえ、今後の運動会のさらなる発展の可能性を探りました。おなじみの競技も、少しの工夫を加えるだけで、より楽しい競技となっていくようです。

 

小学校における組体操についての調査研究

組体操の教育的価値についての文献調査と実際の小学校の運動会で行われた組体操を調査・分析することで、今後の組体操のさらなる発展の可能性を探りました。先生方の安全面に関する配慮のもと、体と心を成長させていく子どもたちの姿に触れることができました。

〇小学校体育:保健領域「けがの防止」の単元における防災教育の内容と教材に関する調査研究 ~近年の水害被害に焦点を当てて ~

NHK クローズアップ現代+より引用

NHK くらし・解説より引用

授業に利用できるわかりやすい価値のあるコンテンツを探索していきました。上の図は「NHK クローズアップ現代+」、下の図は「NHK くらし・解説」からの引用ですが、災害が発生するまでの降水量の変化や避難の目安など、メディアから非常にすぐれた資料を複数探索・認定し、同時にそれを学校の授業場面で利用していくための方策を考察しました。

 

〇小学校の保健の教科書における掲載図表の検討 ~関連する他教科との比較を踏まえて~

〇日本の高視聴率テレビドラマにおける飲酒とその関連行動の描写に関する調査研究

〇大学構内の屋外喫煙所周辺における受動喫煙の暴露に関する一調査

〇カリキュラム・マネジメントにむけた保健領域の内容と他教科との関連に関する調査

〇学校保健活動における「手洗い指導」のあゆみと実際

〇命の尊さの学びから生きる力の育成を目指した小学校の性教育の姿を求めて

〇友達との関わりあいの中にみられる子どもの豊かな学びの世界

〇教職経験により形成される教師の実践的思考様式

〇金森学級の命の教育実践についての一考察

〇小学校における喫煙防止教育に関する実践研究

〇思春期の子どもたちへの性教育を考える ピアカウンセラーを通して

〇ネットいじめの防止に関する授業開発

〇小学生の視力低下防止に関する授業研究

〇小学校における子どもの体力向上を図るための一考察 横内小学校の体育実践の分析を踏まえ

〇フラッグフットボールに授業に関する一考察

〇バスケットボールの授業における生徒の実態調査

〇授業カンファレンスを通した体育が苦手な子どもに対する教材づくり

〇小学校の投力向上に関する一考察

〇学校教育における体罰問題に関する一考察

〇静岡市のスポーツ施設における受動喫煙防止対策に関する実態調査

〇学校で取り組まれている自然体験教育の実態調査

〇体育が大好きになるボールを使った体つくり運動の内容開発と分析

〇工場からの煙害を改善するための活動

〇学校禁煙ポスターについての一考察

〇女子学生の体型認識と自尊感情との関連について

【これまでの修士論文タイトル】

〇小学校における保健教育に関する教材研究

〇中学校における保健教育に関する教材研究

〇小学校体育における短距離走の指導法に関する調査研究

〇思春期の子どもたちへの性教育の実践と課題

【 卒論・修論の作成お疲れ様でした 】

卒論研究のその後・・学会発表に取り組みました・・

第62回東海学校保健学会 会場入り口

第62回東海学校保健学会に参加し、演題:「2020年度から使用される小学校の保健の教科書に提示されたカリキュラム・マネジメントに 関する学習内容の検討」を発表しました。内容は、カリ・マネ推進のための基礎研究となります。今後とも教育実践の場でお役立て・ご活用いただけるような内容の研究を推進したいと、思いをあらたにしました。